ビーガンFAQ:#プランツゾウ リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ ビーガンFAQ:#プランツゾウ By Kei Singleton Last major updated: 1 Apr. 2021 予告の通り,2024年9月4日をもってウェブ版は廃止し,pdf版とページを統合しました。 リダイレクトしない場合はコチラをクリックしてください。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
ビーガンFAQ - よくある質問と返答集 ライブラリ >Vegan FAQ ―Frequently Asked Questions― (よくある質問) by Kei Singleton First published: 10. Oct. 2017; Last updated: 4. Sep. 2024 ■お知らせ 2024年9月4日:予告の通り,2024年9月4日をもってウェブ版は廃止し,pdf版とページを統合した。 >> Download Ver 3.1 (2024年9月4日公開)<< 目次 第1章 導入 1.1 本書の内容について 第2章 ビーガニズムとは何であり,何でないのか 2.1 Q. ビーガニズムって何? 2.2 Q. ビーガニズムを突き詰めたら,人類は滅ぶしかないのでは? 2.3 Q. ビーガニズムは宗教じゃないの? 2.4 Q. ベジタリアニズム(菜食主義)とはどう違うの? 2.5 Q. 動物愛護とは違うの? 2.6 Q. ゆるビーガンとはなに? 2.7 サマリーと参考文献 第3章 プランツゾウ 3.1 Q. 植物にも命があるからビーガンは矛盾しているのでは? 3.2 Q. 命はすべて平等であるから,どの生物も道徳的価値は同じなのでは? 3.3 Q. 動物が本当に苦しむかわからないのでは? 3.4 Q. 植物も意識的知覚を持つのでは? 3.5 Q. 苦痛なく殺せばよいということ? 3.6 Mallat et al.(2021)の要約 3.7 サマリーと参考文献 第4章 ライオンゾウ 4.1 Q... 続きを読む
ネガティブ功利主義とは ネガティブ功利主義(Negative utilitarianism)とは ネガティブ功利主義(Negative utilitarianism)とは、功利主義の中でも幸福を増加させることより苦しみを最小化することに圧倒的な優先度があると考える立場である。 その優先度は立場によって差異があり、幸福促進は倫理的に一切の重要性を持たないと考える立場もある。 以下、このネガティブ功利主義という倫理的立場について解説するが、まず第一に注意しなければならないのは、ネガティブ功利主義はあくまで功利主義の一派であり、 苦しみを最小化することに優先度を置く立場の全てがネガティブ功利主義に分類されるわけではない 、ということである。 Contents: 1. ネガティブ功利主義という名称の由来 2. ネガティブ功利主義の分類 3. アンチナタリズムとの関係 4. 義務論との関係 5. ネガティブ功利主義の帰結 1. ネガティブ功利主義という名称の由来 ネガティブ功利主義という名称は、カール・ポパー(Karl Popper)が著書『 開かれた社会とその敵 』で行った主張が由来となっている。彼はそこでこう述べている: 倫理的な観点から見て、私は苦しみと幸福の間、あるいは痛みと喜びの間に対称性はないと信じている。功利主義者の最大幸福の原理や、カントの「他者の幸福を促進するべし...」という原理はどちらも、私にとっては(少なくとも彼らの定式では)この点において根本的に間違っているように思える…私は、人間の苦しみというのは、助けを求める直接的な道徳的訴え持つが、上手くやっている人の幸福を増加させることが、同様の訴えを持つとは思わない。 そして、さらにこう続ける: 道徳的観点からすれば、快が痛みに勝ることはない。特に、あるものの快の重大さが、別のものの痛みより上回ることはない。最大多数の最大幸福ではなく、より謙虚なものとして、すべてのものについて、回避可能な苦しみを最小にすることを要求すべきである。そしてさらに、食糧の不可避な不足のときの飢餓のような不可避な苦しみについては、可能な限り平等に配分されるべきである。…この倫理の見方と、私が『科学的発見の論理』で主張した方法論との間にある類似性が存在する。我々の要求をネガティブに定式化すること、すな... 続きを読む
時間の矢の起源:典型性に基づく説明 時間の矢の起源:典型性に基づく説明 Kei Singleton First published: 17. Apr. 2019; Last major updated: 17. Apr. 2019 はじめに 生物進化の法則、人工生命の創造に伴う明らかなリスクへの効果的な対処、意識や知覚をもたらす脳の神経構造、老化のメカニズムなど、苦しみの原因にかかわるこれらの問題をより深く理解し、そして対処を可能にするには、熱力学や統計力学をはじめとした物理学の知識と手法が必要になる。 一方で、熱力学や統計力学で用いられる概念や方法の一部は、非常につかみどころのないものでもあり、それゆえに多くの誤解が広まってしまっている。 ここでは、それらの分野の概念を専門的な予備知識を必要としない形で紹介することを一つの目的とし、それ自体が苦しみの大きな原因である時間の不可逆性について議論する。 1 ミクロな世界とマクロな世界 1.1 熱力学第二法則と時間反転非対称 形あるものは時の流れと共に姿を変え、やがて朽ち果てる。 不可避な老いと死は私たち動物の多くにとってそれ自体が最も大きな苦痛であるだけでなく、将来経験する老いや死に対する不安や恐怖など、生における他の様々な苦しみを生む原因ともな る。 しかしこの時間変化の一方向性は、生物の変化にのみ見られるものではない。私たちの目に見える 系(考察の対象とするもの) の多くは、その変化の方向に明らかな非対称性を示す。例えば部屋でコーヒーにアーモンドミルクを入れて飲んでる場面を想像してみよう。 コーヒーに垂らしたミルクは自ずとコーヒーと一様に混ざり合うが、何か特殊な操作でも加えない限り、一度混ざり合ったミルクがコーヒーと分離することはない。 また、それが淹れたての熱いコーヒーであっても(あるいは十分冷えたアイスコーヒーであっても)、放置すればやがて部屋の空気と同じ熱さになり、それ以上変化を示さなくなる。 これらのマクロな(目に見えるスケールの)系の状態を扱うのが、 熱力学 と呼ばれる分野である。 ここではまず、その熱力学からいくつかの有用な概念を導入する。 マクロな系が、(外界とのやりとりがないまま)しばらく放置して至る、目に見えた変化を示さなくなる状態を 平衡状態 という。 そ... 続きを読む
植物の意識という神話への反証 植物の意識という神話への反証 ※本記事の内容は,より詳細な補足や関連する研究の結果と共に,以下のリンク先のpdfファイルにも収録してある。 >> ダウンロードページ << ■はじめに 未だに、植物にも意識があると信じる人、あるいはそう信じるふりをすることが、ビーガンにならないことを正当化する理由になると信じる人が多くいる。 『 ビーガンFAQ:#プランツゾウ 』において、そのどちらの信念も誤りであるということを議論しているが、ここでは前者の信念、すなわち植物にも意識があるという考えの問題点をまとめた論文『 Debunking a myth: plant consciousness(植物の意識という神話への反証) 』の内容を要約し、紹介する。 この論文は解剖学者Jon Mallatを筆頭著者とし、膜の物理を専門にするMichael Blatt、病態生理学者Andreas Draguhn、植物の環境への適応を研究する植物生理学者David Robinsonそして、もう1人の植物生理学者Lincoln Taizによって書かれた、「植物も意識を持つ」という主張への反論を示すものである。 Mallatは、神経科学者で意識の科学を専門とするTodd E. Feinbergと共同で、意識の基底とその起源についての研究を行っており、Taizをはじめとする残りの著者らは、FeinbergとMallatの研究に基づき、『 Plants neither possess nor require consciousness(植物は意識を持つことも必要とすることもない) 』をはじめ、植物意識の存在を否定する一連の研究を発表している(一部『 ビーガンFAQ:#プランツゾウ 』内でも引用している)。 この論文は、こうした研究の1つのまとめとして、植物意識を支持する側が持ち出す12の主張をリストアップし、その1つ1つに対し、それがなぜ間違いであるかを示すものとなっている。 論文で扱われるのは、以下の12の主張である: 生きた細胞の1つ1つに意識がある 植物の意識は、環境の変化を感知して適応的に対応して目標指向行動のために情報を統合し、その過程で意思決定を行っていることに現れている 膜電位と電気... 続きを読む
ライブラリ 書籍・レポート形式のファイルへのリンク ■ ビーガンFAQ - LINK ■ Review of Suffering - Vol.1 アンチナタリズム ■ アンチナタリズム入門 - LINK ■ Brief Introductions to the Foundations of Naturalistic Pessimism - Vol. 1 集合と論理 ■ レポート - ビーガンのための進化生物学入門:「利害」についての正しい理解のために 続きを読む