『ホロコーストは終わっていない』ゲイリー・ヨーロフスキーとユヴァル・ノア・ハラリの対談 “Agnus Dei” by Francisco de Zurbarán. Oil on canvas, 1635-1640. ■はじめに この記事では、2013年にイスラエルの新聞「Haaretz」のウェブサイトに掲載された、歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリによるアニマルライツ・アクティビストのゲイリー・ヨーロフスキーのインタビュー記事『 Gary Yourofsky to Haaretz: 'Animal Holocaust' Isn’t Over 』の全訳を載せる。 関連:世界で一番重要なスピーチ(ゲイリー・ヨーロフスキー) ■記事の全訳 アニマルライツ運動の第一人者として世界的に有名なゲイリー・ヨーロフスキー氏が、12月に再びイスラエルを訪問する。ビーガンやアニマルライツ団体の間でも、彼の妥協を許さない戦闘的な姿勢、批判的なスタイル、そして暴力は革命に不可欠な要素だという主張は物議を醸している。個人的には、彼の主張や提案には同意できないことも多いが、21世紀はじめの倫理的・政治的なシーンにおいて、彼は重要な人物であると私は信じている。ヨーロフスキーは、人々をコンフォートゾーンから引きずり出す。肉食者や毛皮好きだけでなく、多くのビーガンでさえも、彼の歯に衣着せぬ講話に、居心地の悪さを感じる。 動物たちの苦しみに無関心でいることは簡単である。彼らには新聞記事を書いたり、ラジオで話したりすることができず、彼らの叫び声は我々の耳から遠く離れてた場所に隔離されている―あるいは、周到に弱められ、穏やかなものに調整されている。ヨーロフスキーは、動物たちのマウスピースとなり、彼らの悲鳴を修正されないまま人々に聞かせることを目的としている。彼の話に耳を傾ければ、無関心でいるのはとても困難なことになる。彼に異論を唱えるのは当然だが(時には彼に異論を唱えるのが最良であることもあるかもしれない)、ヨーロフスキーは我々に、畜産場の動物たちの運命を真剣に考えさせ、人間による何十億もの牛、羊、豚、鶏たちの扱いが、歴史的な大罪であるという可能性を考えさせる。そのため私は、ゲイリー・ヨーロフスキー氏と議論する機会を得られたことを嬉しく思っている。私は、議論に時間