『ホロコーストは終わっていない』ゲイリー・ヨーロフスキーとユヴァル・ノア・ハラリの対談

『ホロコーストは終わっていない』ゲイリー・ヨーロフスキーとユヴァル・ノア・ハラリの対談

“Agnus Dei” by Francisco de Zurbarán. Oil on canvas, 1635-1640.

■はじめに

この記事では、2013年にイスラエルの新聞「Haaretz」のウェブサイトに掲載された、歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリによるアニマルライツ・アクティビストのゲイリー・ヨーロフスキーのインタビュー記事『Gary Yourofsky to Haaretz: 'Animal Holocaust' Isn’t Over』の全訳を載せる。

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■記事の全訳

アニマルライツ運動の第一人者として世界的に有名なゲイリー・ヨーロフスキー氏が、12月に再びイスラエルを訪問する。ビーガンやアニマルライツ団体の間でも、彼の妥協を許さない戦闘的な姿勢、批判的なスタイル、そして暴力は革命に不可欠な要素だという主張は物議を醸している。個人的には、彼の主張や提案には同意できないことも多いが、21世紀はじめの倫理的・政治的なシーンにおいて、彼は重要な人物であると私は信じている。ヨーロフスキーは、人々をコンフォートゾーンから引きずり出す。肉食者や毛皮好きだけでなく、多くのビーガンでさえも、彼の歯に衣着せぬ講話に、居心地の悪さを感じる。

動物たちの苦しみに無関心でいることは簡単である。彼らには新聞記事を書いたり、ラジオで話したりすることができず、彼らの叫び声は我々の耳から遠く離れてた場所に隔離されている―あるいは、周到に弱められ、穏やかなものに調整されている。ヨーロフスキーは、動物たちのマウスピースとなり、彼らの悲鳴を修正されないまま人々に聞かせることを目的としている。彼の話に耳を傾ければ、無関心でいるのはとても困難なことになる。彼に異論を唱えるのは当然だが(時には彼に異論を唱えるのが最良であることもあるかもしれない)、ヨーロフスキーは我々に、畜産場の動物たちの運命を真剣に考えさせ、人間による何十億もの牛、羊、豚、鶏たちの扱いが、歴史的な大罪であるという可能性を考えさせる。そのため私は、ゲイリー・ヨーロフスキー氏と議論する機会を得られたことを嬉しく思っている。私は、議論に時間を費やすよりも、彼の見解とメッセージをよりよく理解しようと試みた。以下は、我々の議論の記録である。

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ゲイリー・ヨーロフスキー
:「私の継父は、以前はシュラインサーカスのピエロでした」こう彼は話を始める。「23歳のとき、彼は私を舞台裏に連れて行ってくれました。そのとき、3頭の象がミシガンステートフェアグラウンドの倉庫のセメントの床につながれているのを見ました。 悲しみ、絶望感、恐怖が彼らの目や身体から発せられていました。 彼らは神経質に左右に揺れていました。 猿が檻の中で叫び、監獄の柵を掴んで釈放を懇願していました。 2頭のトラが小さなケージで神経質に歩き回っていました。 残酷さは正面から私の顔を凝視してきました。私は間違ったことが起きていると理解しました。 エネルギーに注意を払えば、仲間が危機に瀕していることを知ることができます。 私が目撃したその奴隷ショーは、自分の食べ物や靴がどこからやって来るのか、また動物実験室で実際に何が起こっているのかなど、私に疑問を投げかけてきました」。

「結局、デトロイトのトーンアップルバレーの豚屠殺場に6週続けて行くことになりました 。私は自分の目を信じられませんでした。 心が痛みました。 彼らの恐怖は明らかでした。 悲鳴を聞き流すことは不可能でした。 私はある選択をしなければならないことを理解しました。 彼らの友になるか、それとも敵になるか? 私は差別者(種差別主義者)の偽善者になるか、それとも倫理的に一貫した人間になるか? どうしたらサーカスにおける象の虐待を非難しながら、屠殺場での動物の殺害を非難しないでいられようか?こうして私は95年、最初のステップとしてベジタリアンになりました。 その後、乳製品や卵の産業がいかに邪悪かについての正しい認識を持つとすぐさま、1996年7月24日にビーガンになりました」。

「あなたの食生活は、自身の研究の影響を受けたと聞いています。 動物を奴隷化したり殺害したりする産業に寄与するのをやめるよう影響を与えたものは何だったのでしょう?」

ユヴァル・ノア・ハラリ「私自身のビーガニズムへの道は、苦しみについての問いこそ、人生における最も重要な問いであると私に気づかせたヴィパッサナー瞑想のリトリートに行った2000年に始まりました。その後、人類の歴史についての本を書くにあたって、農業革命や工業革命に関する多くの研究に目を通しました。それらの研究を開けた心で読むことで、人類が動物にもたらしている危害の計り知れない程度にも、それ対する大半の科学研究の無神経な態度にもショックを受けました。動物たちの運命は、歴史上最大の罪であり、最大の嘘でもあるように思えました。プロパガンダと洗脳の最大の逆説的原理の一つは、「嘘は大きくなるほど、信じやすくなる」ということです。あまりに大きなスケールで嘘を付けば、その嘘はすべてを覆い尽くし、より真実を暴くのが困難になるのです。人々は、それほど大きなものが完全な嘘であることを単純に想像できないのです」。

「多くの人々が、動物たちが苦しんでいるということを考えたがらない理由の一つは、それが意味することがあまりに酷すぎることだからです。我々の経済、社会、政治、そして宗教、そのすべてが、何十億もの動物たちを、彼らの苦しみを無視しながら搾取することで成り立っているからです」。

ゲイリー:「数だけを考えても、人間が全体として、動物たちが経験してきたように苦しんだことは一度もありません。過去12か月だけでも、世界中で600億の陸上動物と900億の海洋動物が肉、乳製品および卵産業によって殺害されています。さらに何十億もが、ハンター、生体解剖産業、サーカス、動物園、ロデオ、および衣料産業によって、奴隷にされ、殺害されています。人間が過去1,000〜12,000年の間に犯した動物殺しの数をこの方程式に加えれば、間違いなく計算不能な数になるでしょう。我々にはそれほど多くの数を数え上げることができません。したがって、技術的には人間はこれまでに存在した中で最も優れた種であることが事実であっても、その技術や能力を他者に危害を及ぼすために用いるという意味で、倫理的には寄生虫と同レベルです。人類はこれまでで最大の種の絶滅、河川の汚染、森林破壊の責任を負っています。そして、我々の技術的優位性は、我々が他の動物よりも優れており、彼らは無価値であると信じる理由となってきたものです。これは馬鹿げたことです。動物は意識的な存在であり、感覚を持ち、苦しむ能力を持つという点において我々と同等であるからというだけでなく、動物たちは生き残るためにテクノロジーを必要としないからでもあります。でも我々はテクノロジーを必要とするんです。動物界が技術を進歩させる理由は何もありませんでした。しかし人類種は、空調、熱、輸送、冷蔵などなしでは破滅してしまうのです」。

ユヴァル:「最新の科学研究では、全ての哺乳類、鳥、そしておそらく爬虫類と魚も、意識や感情、そして苦しみを感じる能力を持っているという結論に達しています。動物の認知に関する最新の研究を参照しても、ホモ・サピエンスが何らかの特別な意識を持つとか、より強い苦しみを感じるといったことを示す証拠は存在しないと思われます。確かに、我々はより優れた技術的能力を持ち、ある種の問題の解決において優位であるかもしれませんが、苦しみについての問いに絞る限り、ほとんど差異はありません。歴史の専門家として、人類を世界の支配者に変えたものは、大人数で柔軟に協力する能力であるという印象を持っています。1対1では、人間はチンパンジーや豚に勝る目立ったアドバンテージはありません。 しかし、1,000人の人間を1,000人のチンパンジーや豚と闘わせると、1,000人のチンパンジーには効果的に協力することが決してできないという単純な理由によって、人間は簡単に勝利を収めることができます。 アリなど、多数で協力できる種もありますが、非常に決まった形での協力です。 チンパンジーのように非常に柔軟に協力できる種もありますが、親密な少数の仲間とのみの話です。 ホモ・サピエンスは、無数の見知らぬ人々と非常に柔軟な方法で協力できる地球上で唯一の種です。 これが我々が世界を支配する一方で、アリは我々の食べ残しを食べ、チンパンジーは動物園や研究所に監禁されている理由です」。

「何がそれを可能にするのでしょうか? それは神々、国家、お金、人権など、実際には存在しないものを想像する我々の能力です。 大規模な人間の協力を調べてみると、それは人々が作りあげ、互いに伝え合う架空の物語に基づいていることがわかります。 チンパンジーに死後に無限のバナナを与えると約束しても、バナナを渡すよう説得することはできません。 ホモ・サピエンスはそのような話を信じることができる唯一の動物であり、それが種としての成功の秘密なのです(ただ個人としては、我々はこの怪しい能力に非常に高い代償を払っています)。 ホモ・サピエンスは、「天国」のような空想の概念を信じられる唯一の種です。ヒトは他の動物より本来的に高い地位にあるという人間中心的な見方も、天国を信じることと本質的に違いはありません。それはフィクションなのです しかし、それは種としての我々の成功の秘密でもあるのです。なぜなら、そのようなフィクションを信じることによって、私たちは国家、軍隊、企業などを構築するからです」。

ゲイリー:「我々の種が宗教、政府、学校、そしてメディアを通じて歩くゾンビに変えられていることも、非常に残念なことです。 この製品を購入しこの大学に行けば、幸せになりますよ。このコロンを振っておけば誰かと寝れますよ。 これらの死んだ動物を食べれば、男らしくなれますよ。 空の上にいるこの目に見えない存在を信じれば、死んだ後素敵な場所に行けますよ、と。こうしたことは全部狂ってます。 どんな嘘も永遠に生き続けることはできません。 不正は永遠に続くことはできません。 すべての抑圧された存在は、いつかのある時点で平等と自由を享受します。 悲しいことに、これが起こるまでには通常数百年、あるいは数千年かかります。 多くの人間は相変わらず、法の下での自由と平等な扱いを実現するために戦っています。 そして、動物たちも同じものを求めているのです」。

ユヴァル:「私はあなたほど楽観的ではありません。 私は必ずしも我々がより良い世界に向かって進んでいるとは思いません。 我々は、地球上の他のほとんどの生物を根絶するか、あるいは完全に奴隷化することを可能にする技術を発展させている一方で、自分自身を強力な神のような存在にアップグレードしています。 生態学的な終末が到来するとして、それを迎えたとき、人類は新たな技術の助けを借りてそれを生き延びるそれなりの見込みを持っています。 これこそまさに、我々がその終末を防ぐことに全力を尽くしていない理由です」。

ゲイリー:「植物がなくなっても、我々は光合成する方法を見つけるでしょう。 水が汚染されて飲むのに適さなくなったら、実験室で水を作り、すでに家や会社につながれているパイプを通して人々にそれを送るでしょう。 空気が息をしたら死んでしまうほど汚染されたら、鼻や口に入る前に空気を消毒する「清潔な」ミストを毎秒スプレーするある種のヘッドギアを介して、吸入する前に空気を浄化する方法を作り出すでしょう。 または、都市を取り囲む巨大な構造を築き上げ、そこに実験室で作られた清浄な空気を送り込むかもしれません」。

「しかし、嘘はいつかは暴かれ、その暴露は大きな変化につながります。問題はそれがいつになるかです。嘘はいつ暴かれるでしょう?さらに12,000年かかるかもしれません。しかし、いつかは終わりを迎えるでしょう。正義は常に勝つのです。しかし、悪が露呈されると、人々が最終的に変わるか、悪が殺されます。私はどちらでも構いません。真実は決して一夜では受け入れられないため、変化はゆっくりと引き延ばされたプロセスになります。それは常に3つの段階を経る必要があります。最初は馬鹿にされます。人々はいつも、自分が理解していないことを、特にそれが他の誰かに優しくすることを含む場合、嘲笑の対象とします。第2の段階は拒否と暴力的反対です。人々は、残虐行為が起こっていることを受け入れず、現状を維持するために歯と爪を使って戦います。真実の第3段階は受け入れです。説明する必要はもうありません。動物の解放に関しては、我々は最初の2段階で際限なく行き詰まっているようですが、いつかある日、動物に対する憎悪と敵意は終わりを迎え、動物たちは自由を手に入れるでしょう」。

ユヴァル:「動物に対する我々の態度を「憎しみ」とラベルするのは間違っていると思います。憎しみは非常に具体的な体験です。それは特定の生理学的および精神的状態です。何百億もの動物たちのおぞましい苦しみが、人間の敵意によってもたらされているとは思いません。大半の場合それは、無関心と一体となった強欲によるものです。牛乳を飲むほとんどの人は牛を憎んでいないし、肉食者も牛を憎んではいません。彼らはただ、配慮しないのです。人類は、隔離された巨大な社会経済マシンを作り出してきました。それが消費者たちを屠殺場から遠ざけることで、人々は、他の知覚ある存在たちの苦しみを対価にしながら、それを意識することなく、快楽と安楽にふけることが許されるようになりました。歴史の中の最も大きな罪は、憎悪からではなく、自分の行動の結果に向き合う必要がない人々から生まれました。たとえば、近世の奴隷貿易で豊かになった人々のほとんどは、自分たちの生活の中で奴隷を見たことは一度もありませんでした。アメリカの奴隷農園で栽培された砂糖でお茶やクッキーに甘みを加えた18世紀のヨーロッパ人のほとんどは、「誰が私の砂糖を生産しているのか」と疑問に思うことも決してありませんでした」。

「我々はひどい苦しみを目撃するとき、それが邪悪な人々によって引き起こされていると信じたがります。 我々は責任のある人を憎むように誘惑されるものだし、無関心な人よりも邪悪な人を憎む方が簡単だからです。 しかし、問題は憎しみではなく無関心であるため、責任者を憎むことにもあまり意味がないのです」。

ゲイリー:「問題は無関心ではなく無知でしょう「食品」産業において、メスの動物がレイプされて妊娠させられていることを知らないのは、無関心ではなく無知の問題です。卵産業において、鶏が完全に意識のある状態で、真っ赤に熱した刃でくちばしを切られていることを知らないのは、無関心ではなく無知の問題です。酪農施設では母牛が、人間の消費のための牛乳をより多く得られるよう、出産してすぐ赤ん坊を盗まれていることを知らないのは、無関心ではなく無知の問題です。動物たちが理性的であり、気づきを持ち、知的であることを理解しないことは、無知と完全なる愚かさの問題ですが、無関心ではありません。それは無知と愚かさなのです。そうはいっても、大衆に不正義に目を向けさえるにはどうすればよいのか、という問題は依然として残ります。人々はどうすれば行動に駆り立てられるでしょうか?思いやりに支配を任せるために、虚構をどのようにして根絶することができるでしょうか?教育と少々の報復的暴力が常に答えです。教育は、抑圧された属性を解放する最も効果的な方法です。直接行動(解放)、広告、戦術的暴力は、すべてのもののための正義を達成するための次の3つの最も効果的な方法です。アメリカの多くの公民権活動家はまた、隔離を終わらせるために暴力を支持あるいは利用しました(マルコムX、ブラックパンサーズ、ローザパークス)、彼らは平和主義者(マーティン・ルーサー)キングと同じくらい運動に不可欠だったのです」。

「ガンジーの信奉者たちはイギリスの兵士を殺して暴動を起こしましたが、それでも世界が彼らの自由への要求を支持することを妨げることはありませんでした。 ネルソン・マンデラでさえ、暴力の誇り高い支持者でした。 よって証拠は明確です。 暴力が逆効果になることは決してありません。 一方、無関心と政治ゲームは逆効果です!」

ユヴァル:「確かにあなたが無知を責めるのは正しいでしょう。しかし、無関心を軽く扱いすぎているように思えます。 多くの場合、無関心は無知の根源です。 無知だけが問題だったら、人々が何が起こっているのかを知ることで、問題は解決されたでしょう。 残念ながら世界には人々がよく知っていながら、理論的な知識と行動の変化の間に大きなギャップがあるため解決されていない多くの問題があります。 喫煙者たちは喫煙が健康に悪いことをよく知っていますが、喫煙を続けています」。

「人類は、それが生態系に与えているダメージと、それに伴う危険性を認識しています。それでも、我々はさらに大きな生態学的ダメージを引き起こしています。 暴力の問題については、「証拠は明らかです。 暴力は決して逆効果にはなりません」と述べましたが、マンデラやガンジーが、そして第二次世界大戦中の同盟国は言うまでもなく、暴力を使用したことを指摘するのは間違いありません。 口にすると悲しいことですが、暴力はあらゆる種類の社会的および政治的目標を前進させるする上でしばしば役立ちます。 それでも私には、暴力が逆効果になることは決してないとまでは主張できません」。

「暴力の歴史には、何の価値も生み出さなかった多くの例があります。 ユダヤ人がローマ人に反抗したとき、結果はエルサレムの破壊と数十万人のユダヤ人の虐殺、奴隷化、そして亡命でした。 対照的に、ほとんど暴力に頼らずに達成された大きな革命の例があります。 過去数十年にわたって、フェミニスト運動とLGBT組織は、ほとんど暴力を用いずに素晴らしいことを成し遂げてきました」。

ゲイリー:「ゲイの人々が暴力を用いずに解放を達成しているかということについて言うなら、ゲイがアメリカを含む世界のほとんどの部分で解放されていないので、そうした主張をするのはフェアではないでしょう。 女性も世界のほとんどの地域で平等を実現していません。 なので、暴力はこれらのグループの革命に必要な要素ではないと言うのは不正確です。 彼らがどこでも純粋な平等や自由を達成したとき、その主張は可能になります。 暴力がアクティビズムの車輪に必要なスポークではないと言えたらよかったとは思います。 報復的暴力が実体のある変化を達成するための重要な要素であるというのは残念なことです。 それはどの範囲においても最も重要な力であるわけではありませんが、変化のための生産的で効果的な力ではあるのです」。

ユヴァル:「教育が動物の扱いを変えるための鍵であることにあなたも同意するなら、教育システムに足を踏み入れることが非常に重要な前進になることにも同意しませんか? ただし、教育システムの内部で働きかけをするには、ある程度の妥協が必要です。 例えそれが幼稚園や学校(の子供たち)に向けて扉を開くことになったとしても、あなたはそのような妥協に断固反対しますか?」

ゲイリー:「私は妥協に反対です。私はいつも、屠殺場のビデオを見せたり、肉や乳製品や卵産業のグラフィックな詳細を説明したりさせてもらえない場合は、高校、中学校、小学校での講演のオファーは断っています。 私の活動は妥協が決して必要ではないことを証明してきました。 どんな運動も、彼らの目標を達成した後に、政治を利用するに至りました。 彼らは皆、政治ではなく論理、教育、デモ、暴力、市民の不服従で敵を打ち負かしました。 大衆が理解する前に法律を通過させることはできませんし、もし何らかの理由で理解の前に法律が通過したとしても、その法律は施行されません。 そのため、動物解放運動の真っただ中の今、政治の話は後退的で効果がありません」。

「必要などんな動物虐待防止法も通過させることはできるでしょう。でも、大衆が動物を奴隷化して殺害することがなぜ悪であるかを理解するまで、法は無力です。 シカゴは数年前にフォアグラを非合法化しましたが、なぜそれが非合法化されたのかについて人々を教育することは一切ありませんでした。 レストランはメニューからそれを削除することを拒否し、フードベンダーはフォアグラをホットドッグやピザやパンに入れ始めました。 それはより多くの混乱を招いたのです。 また、カリフォルニア州は昨年、フォアグラの販売を禁止しました。 するとレストランのオーナーは、それを無料でプレゼントし、それに付いてくるパンの代金として20ドルを要求すると言い出しました。 ガチョウやカモが鋼棒を喉に押し込まれて強制的に餌を与えられており、それゆえ人々がそれを避けるべきなのだと説明する人は誰もいませんでした。 まず教育、まずデモ、まず暴力、まず市民の不服従。その後に政治と法律なんです」。

「政治や政治家の目標は、だまして、配慮しているイメージを作りだし、政府が物事を改善すると大衆を騙して信じさせることです。 政府には世界をより良い場所にすることなどできません。 一方で大衆はこれを実現することができるんです。 大衆が態度を変えるとき、社会はより倫理的で、より愛情深く、そしてより思いやりのあるものになります。 大衆が見上げた人々、キング牧師、マルコムX、マンデラ、パークス、トゥルース、タブマン、ソロー、ガンジーなど、誰一人として政治家ではありませんでした。 彼らは活動家だったんです。 彼らのうちの数人(マンデラとガンジー)は、後に政治家になりましたが、彼らの最大の功績は彼らが活動家だったときのものです」。

ユヴァル:「あなたは政治家に対して特別な敵意を持っているようです。 しかし、私には政治と「大衆」をどのように置き換えられるか全くわかりません。効果的であるためには、大衆を組織化する必要があります。 組織には資金、構造、官僚制度が必要です」。

「これらは、保護され、増強される必要のある利益を生み出します。つまり、結局あらゆる種類の政治的取引を行うことになります。私には、ある種の政治構造を確立したり、ある種の政治活動に従事したりせずにその目標を達成した大衆運動の例が全く思い当たりません。当たり前ですが、悪い詩人や悪い医者がいるのと同じように、悪い政治家もいます。しかし、政治自体には何も悪いことはありません。それどころか、それは真実の非常に強力で前向きな要素を持っています。純粋な理想を信じる人々にとっては、現実が複雑で汚いものだという事実を受け入れることが困難になる場合もありますが、それが唯一の現実です。善良な政治家たちの素晴らしいところは、ありのまま現実を見て、それに取り組む能力です。歴史上、それを導く善良な政治家なくして達成された革命はほとんどありません。革命家が政治で手を汚すことを拒否した場合、その結果は失敗するか、あるいはさらに悪いことに、一部の邪悪な政治家が彼または彼女自身の薄汚い目的のために革命的エネルギーを乗っ取ってしまうという結果になります」。

「あなたの妥協しない手段のメリットもよくわかりますが、理論的知識だけでは、変化をもたらすために十分ではないと信じているので、私は政治も重要な位置を占めていると思います。 アルコール依存症患者の多くは、飲酒が彼らに多大な苦痛をもたらすことを完全によく理解していますが、彼らは飲酒を続けます。 同じように、人々は牛乳を飲むことが牛やその子牛の多大な苦痛を伴うと知っていても、牛乳を飲み続けます」。

「より有望なアプローチは、新しい方法でテクノロジーを利用することかもしれません。 細胞から肉を培養する科学者たちの最近のニュースについてどう思いますか? この方法で製造された最初のハンバーガーの値段は30万ドルでした。 しかし、適切な投資が与えられれば、価格はすぐに下降させられるでしょう。 経済的および生態学的な利点だけでも、我々が毎年搾取し、屠殺する動物の数を劇的に減少させるのに十分になりえるかもしれません。 この問題についてのあなたの意見はどのようなものですか?」

ゲイリー:「動物の解放の基盤は倫理と思いやりにのみ基づいているため、肉、乳製品、卵を食べる人がクルエルティフリーな生活を送れるようにできるなら、動物解放に向けた前向きな転機となるでしょう。 そうは言っても、びっくりするような味の野菜、穀物、ナッツ、種子類、豆、スパイスを使った「模造」肉が何年も前から出回っているので、培養された「模造」肉を作ることは逆戻りで、肉、乳製品、卵を食べる人たちがどれほど不合理なのかを証明するだけだと思います。それに、あらゆる主要な病気の主原因であるコレステロール、過剰な脂肪、動物性タンパク質、トランス脂肪酸は相変わらず含まれるため、培養肉は健康上の問題を解決しません。ただ、私はいつも自分が健康警察ではないと主張してきましたし、人々がその過程で動物に害を与えることなく自分を病気にしたいというのなら、それは彼らの権利です」。

ユヴァル:「畜産は約12,000年前からあり、この12,000年の間に、巻き込まれる数と残酷さの両面で、状況はただただ悪化するばかりでした。それがなぜ今、状況が変化しているように見えると思いますか? 私の推測では、20世紀の支配的な理想は人間の普遍性であり、「すべての人間は平等であり、すべての人間は同じグローバルコミュニティの一部である」というものでした。この理想は、経済的および政治的グローバリゼーションのイデオロギーの基盤でした。 20世紀中には、人間の普遍性の理想は、競合する、種内の分裂に焦点を当てたナショナリストの理想と闘う必要がありました」。

「普遍的な理想が勝った今、我々は国の観点ではなく生物学的な観点から自分たちを種として定義するようになりました。そのため、最前線はもはや種内(国家vs国家)ではなく、種の周囲にあります。我々が、自分たちの生物学的アイデンティティに気づくにつれ、この生物学的アイデンティティを定義するものと、その限界は何かということを自問し始めます。したがって、我々はホモ・サピエンスと他の動物との関係により関心を持っています。さらに、21世紀はおそらく、遺伝子工学、サイボーグ工学、あるいはコンピュータ内の非有機的意識の工学による超人類の創造を目撃するでしょう。普通の人間は突如として時代遅れになります。ほとんどの人は、その移行を行うための資金とコネを持っていません。彼らは、自分たちより優れた存在によって支配されている世界で、ただのホモ・サピエンスのままとどまるのです。ほとんどの人はまだこれを完全には意識していませんが、この変化の風に無意識のうちに感づいています。したがって、彼らが地球上の優位ではない立場の生命形態の運命に大きな関心を持っていることも不思議ではありません」。

ゲイリー:「イスラエルの目覚めは本当に驚くべきものです。なぜこれが起こっているのかはわかりませんが、6万人以上の人々と話をした結果、抑圧された人々、すなわちユダヤ人、黒人、女性、同性愛者などは、抑圧をより理解し、ほとんどの場合、彼らや彼らの先祖が経験したような苦しみを、他者に経験させたくないと考えていることに気づきました。ナチスがユダヤ人を集めたとき、赤ん坊は母親の腕から引き離されました。酪農業では、子牛は出産後に母親から奪い取られます。雌豚、ウサギ、羊などの他の動物の母親も、生後数日、数週間、または数か月以内に赤ん坊を奪われます。食肉および乳製品産業のすべての動物は、熱い鉄で焼印をされるか、数字を振ったタグで耳切をされます。ユダヤ人は、現在も動物を屠殺場に送っているのと同じ絶滅トラックで強制収容所に送られました。ナチスは数百万人の虐殺のために人間屠殺場を建設しましたが、これらの拷問施設は、数十億の動物を虐殺するために地球全体に戦略的に建設されてきました。ユダヤ人は、動物たちが今でもなされているように、まるで彼らの命に何の価値もないかのように扱われました。このように、2つのホロコーストを比較することもできます」。

「近くの牛や豚の屠殺場に行き、彼ら動物たちを人間と入れ替えます。これでビルケナウ強制収容所の復元完了です。 時間を遡ってユダヤ人をビルケナウ強制収容所から連れ去り、牛や豚に置き換えても、ホロコーストは依然進行しているのです。 2012年にイスラエルで行った講演の中で、新たな屠殺場のビデオを上映した後、何千人もの人々に次のように尋ねました。「なぜなんだ?このビデオの動物が犬や猫だったら、あなた方は憤慨するだろうか?もし彼らが(ヒトの)子供だったら、あなたは残酷な殺人鬼め!と叫んでいただろう。代わりに、犠牲者が牛や鶏や魚であるとなると、突如誰も誰も気にしなくなる。これでいいのだろうか?」と。だから私にはここで少々の混乱があります。屠殺場が問題なのでしょうか?それとも、屠殺場で誰が殺されるかが問題なのでしょうか? それは虐殺の建物です。 そもそもなぜそんなものが存在するのでしょうか? 特に、「もう二度と、は二度とそんなことは起こらない」と語られる国に。あなたにいくつかのニュースがあります。 「動物のホロコースト」は、ユダヤ人ホロコーストよりずっと前、そしてユダヤ人ホロコーストの最中にも起こっていました。そしてそれは、今も起こっているのです」。

Gary Yourofsky. 「問題は無関心じゃない。無知なんだ」。From the YouTube site Chai Animal Rescue


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