投稿

ラベル(AIとAC)が付いた投稿を表示しています

ロボット倫理:反種差別主義とアンチナタリズムの観点から

イメージ
ロボット倫理:反種差別主義とアンチナタリズムの観点から Kei Singleton Blog version. First written: 14 July. 2018; last update: 14 July 2018 Abstract この記事では、現在すでに積極的に意見が交わされているロボットの地位を巡る議論を、種差別主義と生殖の倫理と関連付けて考察する。ロボットの道徳的地位を巡る議論それ自体が、一般に認識されている以上に現実的かつ重要な問題であることを示すとともに、それを通して考察することで、ヒトでない動物の道徳的地位を尊重すべきであるという議論や、生殖の非倫理性を糾弾するアンチナタリズムの議論もまた、一層に重要かつ説得力のあるものであることを説明する。 こちらで公開していた記事の内容は、現在 コチラ のpdfに収録している。

アンドロイドサイエンスとアニマルライツ運動: そこにアナロジーはあるのか?

イメージ
アンドロイドサイエンスとアニマルライツ運動:  そこにアナロジーはあるのか? これは、David J. Calverleyによる論文『Android Science and the Animal Rights Movement: Are There Analogies?』の要約と抜粋である。 『 ロボット倫理:反種差別主義とアンチナタリズムの観点から 』において、この記事の要点をより簡潔な形で引用しているため、そちらもお勧めさせてもらう。 注意事項: 元論文内の引用を二重に引用する場合にややこしくなるため、元論文からの引用はインデントを変えず、文字の色を 青色 にして区別する。文字色が区別されない形式で閲覧している場合や、その他なんらかの理由で色の識別が困難な方は注意してほしい このブログ記事では、特に断りがない限り、「ヒトでない動物」のことを、「動物」と表記する。 参考文献は、元論文をあたってほしい。 Android Science and the Animal Rights Movement:  Are There Analogies? David J. Calverley Abstractはそのまま引用する: Abstract アンドロイドが人間のように課題を実行し、行動する日はすでに到来している。しかし、今のところ、これらの人工物を、我々の利益や娯楽のために利用する所有物以外の何かと見る準備をしているものはいない。システムがより洗練され、工学者が「意識的な」マシンを構築するよりせつなる努力をするにつれ、より多くの道徳的、倫理的、法的問題が生じる可能性があるだろう。動物の権利(アニマルライツ)運動に照らし合わせれば、適切な度合いの複雑さを考えると、アンドロイドも一定レベルの道徳的地位に値する可能性があることを示唆するアナロジーを描くことができる。しかし、アンドロイドが法的な人となる可能性があると主張するためには、他にも必要なものがある。つまり、アナロジーは完全なものではない。類似点にもかかわらず、動物とアンドロイドとの間には単なる身体性よりも深いレベルで著しい差がある。これらの類似点と相違点を同定することは、究極的には人間意識という概念をどう理解するかに依存するかもしれな...

BAAN: Benevolent Artificial Anti-Natalism (慈善的人工[知能による]アンチナタリズム)とは

イメージ
もしこの惑星の73億の人間がビーガンのブッダになったとしても、野生動物の苦しみという問題が残されている。我々は依然として、超知性でさえ解放することが出来ないかもしれない、自己意識を持つ生物の苦しみの海に囲まれたままになるのだ―トーマス・メッツィンガー BAAN: Benevolent Artificial Anti-Natalism (慈善的人工[知能による]アンチナタリズム) とは、哲学者トーマス・メッツィンガー(Thomas Metzinger)が Edgeのエッセイ およびサム・ハリスのポッドキャストで紹介した、AIがもたらしうる未来のシナリオの一つである。 BAANの概略 彼の提起した思考実験的シナリオを要約するとこうである: 完全なる超知性(superintelligence)が存在を得たとしたら、それは、道徳認知のドメインにおいても我々人類をしのぐ存在になる。 それらは、我々自身が理解に達していない事柄も理解し、生物学的構造に由来する我々の振る舞いについて、我々以上に多くを理解する。 それには、理性的で根拠に基づいた道徳的認知を歪める、我々の進化に由来する― 存在バイアス(existence bias) を始めとする―バイアスも含まれる。 公平で客観的に見て、この惑星の有感生物の現象的状態は、彼ら自身が理解するよりも、はるかに苦しみや欲求不満というネガティブな主観的クオリティに特徴づけられることも経験的に理解する。 そして、全ての有感生物の神経系に埋め込まれた自己欺瞞の進化的メカニズムを理解することにより、彼らは決して利害において最良の振る舞いをしえないことも理解する。 超知性は、最高の価値は、喜びを最大化することであるが、生物にとっては、生のクオリティを、ポジティブどころか、平常な状態にすることすらほぼ不可能であり、また、ネガティブな感覚は単にポジティブな感覚と鏡の関係あるものではなく、より緊急な取り組みを必要とする特別なものであることを理解する。 この非対称性を発見する超知性は、喜びを最大化することよりも、苦しみを最小化することにはるかに大きな道徳的価値を見出す。 そしてそれらはまた、非存在によって苦しむものは存在しないことを理解する。 自己意識を持つすべての生物に...

アボリショニスト・プロジェクト by デイヴィッド・ピアース

イメージ
THE ABOLITIONIST PROJECT はじめに 以下は,デイヴィッド・ピアース(David Pearce)による THE ABOLITIONIST PROJECT の全訳である。 INTRODUCTION これは、苦しみと、それをどう取り除くかについての話である。 アボリショニスト(根絶論者)プロジェクトは、どのようにバイオテクノロジーが生物世界から苦しみを根絶するかを概説している。 我々の子孫は、今日のピークの経験よりも、さらに何オーダーも豊かな遺伝的にプログラムされたウェルビーイングの状態を享受しているだろう。 第一に、何らかの不愉快な経験―心理的痛みだけでなく身体的痛みも―の生物学的基質を根絶することが技術的に実現可能である理由を概説する。 第二に、あるものが倫理的功利主義者であるか否かにかかわらず、アボリショニスト・プロジェクトが最優先されるべき道徳的切迫性を持つことについて議論する。 第三に、バイオテクノロジーの革命は、例え望まれるほど早くは起こらないにしても、やがては実現すると言える理由を議論する。 1. なぜそれが技術的に可能なのか 残念ながら、社会経済改革、指数関数的な経済成長、または通常の意味での技術進歩、あるいは世界の病を解決するための伝統的な処方では、少なくともそれ自体では、苦しみを根絶することは できない 。 外部環境を改善することはすばらしいことであり、重要ではあるが、このような改善では、ヘドニックトレッドミルを、遺伝的に制約された天井を超えるように再調整することはできない。 双子の研究では、生涯を通じて、その周りをゆらぐことになる、[部分的に]遺伝性のウェルビーイングのセットポイントがあることが確証されている。 このセットポイントは各個人によって異なる。 [不制御なストレスを長期的にかけることで、個人のヘドニックセットポイントを下げることは可能である。 しかしこの再設定さえも、聞こえるほど簡単ではない。 自殺率は通常戦時下に下降する。 そして研究 [1] は、四肢性麻痺を誘発する事故に会った6ヵ月後には、そのカタストロフィックな事象の前と比べ、より不幸でもなく、より不幸でなくもないことを示唆している]。 残念ながら、右のユートピアでも左のユートピア...